スポーツ外傷と障害
スポーツ障害は「外傷」と「障害」に区分されます
「スポーツ外傷」とは
一般的に外部からの強い力によって生じる怪我をいいます。
例として、「捻挫・打撲・脱臼・骨折」等です。
外力の大きさ、方向、動く部位、またその時の関節肢位などによって、症状や疾患が異なり、「固定・冷却・安静」などの救急処置をとり、その後医師の診断を受けることになります。
「スポーツ障害」とは
一回の外部からの力は小さいが、同じ部位に何度も繰り返し外力が働いたために生じる異常をいいます。
そのため、症状の原因がよく分からないが痛みがある症状です。
たとえば、「腰痛・膝痛・肩痛」など過度に使いすぎて関節などに痛みが現れます。
スポーツの種目や仕事の種類、生活パターンなどによって特有の痛みを生じてしまいます。さらに弱い外力が骨に対して繰り返し働くと疲労骨折にもつながってしまいます。
また、痛い箇所をかばってしまう動作が、他の部位に負担がかかり痛くなかったところまで痛くなってしまうこともあります。
対処について
整形外科などで検査や治療を受けても治らない場合は、整体院や接骨・整骨院などで確認してもらうことをお勧めします。
「オーバーユース」とは?
筋肉・関節など同じ部位の使い過ぎにより、その部位に負担が掛かって起きる障害です。
例として
●上肢
野球肩・野球肘・・・野球選手(特にピッチャー)に起こりやすい肩や肘の痛み
テニス肘・・・テニスプレーヤーの外側肘に痛みがでます
ゴルフ肘・・・ゴルファーの内側肘に痛みがでます
●下肢
ランナー膝・・・ランナー特有に膝の痛み
ジャンパー膝・・・バレーやバスケット選手に起こりやすい膝の痛み
シンスプリント・・・ランナーなど走るスポーツ選手に起こりやすい下腿前面の痛み
「応急処置」(R・I・C・E処置)
肉離れや捻挫・関節痛・骨折など出血していない外傷の炎症を最小限にするための応急処置を行ないます。
この応急処置は、その後の症状の悪化を防ぐために必要不可欠といって良いでしょう。
1.安静(Rest)
患者を動かさないことが原則です。骨折はもちろんですが、捻挫や肉離れなど無理をすれば体が動いてしまうため、症状を悪化させてしまい、後に悪影響を与えてしまうことになりかねません。
2.冷却(Icing)
氷などで患部を冷却することで、痛み・痙攣などを軽減させることができます。
それにより、血管を収縮させ、内出血や腫れなどの症状を抑えます。
受傷後4〜6時間以内(できるだけ早く)に行なうことがポイントです。また、冷却時間は長時間行なうと凍傷になってしまい場合がありますので注意が必要です。
3.圧迫(Compression)
圧迫により腫れを抑えます。怪我をすると血液やリンパ液などが周囲の組織から流れ込み、破壊された箇所が腫れあがります。この「腫れ」を放置しておくと回復が遅くなってしまうので圧迫処置を行ないます。
4.挙上(Elvation)
受傷箇所を心臓より高くします。重力の作用で過剰な血液や腫れを最小限にすることができます。