足関節捻挫
足関節捻挫とは
足関節の外傷・障害の発生頻度は、四肢の各関節の中で最も高いとされています。
サッカーや野球、陸上といった走るスポーツやバレーやバスケットボールのようにジャンプするスポーツなど着地する時に捻挫が起こりやすくなります。
脛骨と腓骨は脛腓靱帯結合によりしっかりと連結されていますが、歩行時に3〜5㎜程度開閉します。腓骨滑車は前方に広く後方が狭くなっており背屈位では内果と外果の間に挟まれてしっかりと固定されるため捻挫は起こりにくいのですが、逆に底屈位では左右の遊びが生じるためトラブルが発生しやすくなってしまいます。
捻挫とは、関節が正常に動ける範囲以上に、外力によって動かされたために生ずる関節包や靱帯などの軟部組織の損傷をいいます。
尚、12歳以下では骨より靱帯が強いため、捻挫より骨折してしまうケースが見受けられるようです。
捻挫の診断
第1度:軽度→靱帯の過伸展
第2度:中等度→靱帯の一部が断裂
第3度:重度→靱帯断裂(完全断裂は少ない)
捻挫の種類
捻挫の種類には「内反捻挫」と「外反捻挫」があり、「内反捻挫」は「外反捻挫」の5倍といわれます。
「内反捻挫」
足首を内側にひねってしまい、外果(外くるぶし)の前後距腓靱帯・踵腓靱帯・前脛腓靱帯の損傷で前距腓靱帯が最も損傷するケースが多く、この靱帯が断裂されてしまうと関節の動揺性や不安定を招いてしまい、変形性関節症の原因となってしまいます。
また、前距腓靱帯の損傷は脛腓靱帯結合部の離開を起こして、成人では疼痛の原因となってしまいます。
「外反捻挫」
足首を外側にひねってしまい、内果(内くるぶし)の三角靱帯に損傷が多く見受けられます。
足関節の前方には靱帯はありませんが、足関節の底屈強制で前方部の関節包が損傷する場合があります。
急性の症状として、局所の圧痛、周辺の腫脹、皮下出血など、足関節の運動痛と稼動域の制限が起こってしまいます。足部の鈍痛、下腿のツッパリ感や疲れやすさを訴えます。
運動時には足関節の不安定性のため、捻挫に対する不安感が強くなりスポーツ活動に障害をきたすなどで、テーピングによる予防処置をする選手が多いです。
予防法
①足指のストレッチング
足の指に手の指をかけて底屈・背屈を行ないます。
②足関節(足首)のストレッチング
正座をするように足首を伸ばし、前脛骨筋や長拇指伸筋(下腿:脛の筋肉)をストレッチします。
③足関節(足首)の回旋
一方の手の拇指と示指で内果(内くるぶし)と外果(外くるぶし)を挟むように持ち、もう一方の手で足先を包むように持ち足首を左右に回旋させます。この時、徐々に稼動域を広げるように回旋させます。
④つま先トレーニング
足関節周囲の靱帯を強化するトレーニングは無く、下腿筋を強化することによって靱帯に対しての補強を行ないます。階段などの淵にかかとが階段に掛からないように立ち、つま先立ちをするように下腿を上下させます。
⑤足関節のテーピング
足関節の後遺症で関節が安定しない、または怪我の予防のためテーピングで足関節を固定します。
テーピングを巻く注意点として、強く巻きすぎると血管の圧迫やこむら返りを起こしやすくなったり、長時間固定すると筋力の低下などを起こしやすくなってしまいます。
捻挫の治療
「R・I・C・E」の原則により処置を行ないます。
①患部(くるぶし)をU字パットなどを当て、足首を固定します。「→C」
②アイスバス(氷の入ったバケツなど)に患部を漬けて15〜20分間冷します。
または、氷嚢や氷の入ったビニール袋などで直接患部に当てて15〜20分間冷します。「→I」
②患部全体の感覚が無くなり、圧迫感がなくなったら心臓より高くして「→E」、安静にします。「→R」
数十分後に、また痛みや圧迫感が出てきたら、再度アイスバスを行い、これを2〜3回繰り返し行ないます。
ある程度の症状の軽減を確認したら、必要に応じて専門医によるレントゲンなどの診断を受け、骨折等の確認を行なってください。
骨折などの外科的症状がない場合は、そのままにせず整体院などで足関節の調整を行うことをお勧めします。
内反捻挫をすると、腓骨が下方にズレてしまい、そのままにしておくと、また内反捻挫が発症しやすくなったままの状態となりますので足関節(腓骨)の調整を行うことをお勧めします。